電力会社を変えて、電気を使っても二酸化炭素が出なくなったこと(+ちょっと節約)
再生可能エネルギーが好き…でも…
気候変動が気がかりで、再生可能エネルギーにも興味をもっていて、かといって何か活動をしているかというと何もしていなくて、なんかできないかなーとモンモンとしていた。
そんな折、我が家が加入している首都圏向け生協のパルシステムが、新電力のパルシステムでんきをはじめた。2016年から電力自由化で好きな電力会社が選べるようになった。電力自由化のデメリットは多々あるだろうが、選択肢が増えるのは素直によい。
パルシステムには、までっこ鶏チキンナゲットという大ヒット商品があるんだけども、その原料となる「までっこ鶏」の養鶏場で発電をするという。つまり、養鶏場で出る鶏糞を燃やして発電をし、その電力を会員に供給する。この発電方法はバイオマス発電にあたるので 二酸化炭素は排出量はゼロでエコ*1、肉だけではなくて電気も生産・販売するという一石二鳥の取り組みだ。これはもう、是非に入ろうと思ったのだけど、東京電力と電気料金がまったくの同一で安くならないのがネックだった。電気料金も下げて、かつ、エコという一石二鳥を狙いたい。そんな都合のよい電力会社がないかしら。
パルシステムでんきではなくて、GREENaでんき にした
エネチェンジという電力会社の電気料金比較サービスのサイトで、電力料金も下げ、よりエコな電力会社を探した。 そこでGREENaでんき(販売はネクストエナジー・アンド・リソース株式会社)を発見した。GREENaでんきのスタンダードファミリープランにすると、(我が家の契約の場合)東京電力より電気料金が3%程安くなる(以下表参照)。
電気料金と二酸化炭素の排出量の比較(GREENa vs 東京電力)
GREENaでんき | 東京電力 | |
---|---|---|
プラン | スタンダードファミリー | 従量電灯B |
アンペア数 | 30A | 30A |
地域 | 東京電力エリア | 東京電力エリア |
基本料金 | ¥817.12 | ¥842.40 |
従量料金:〜120kWh | ¥19.52 | ¥19.52 |
従量料金:120kWh〜300kWh | ¥24.70 | ¥26.00 |
従量料金:300kWh〜 | ¥27.61 | ¥30.02 |
CO2排出係数 | 0.0kg-CO2/kWh | 0.474kg-CO2/kWh |
特筆すべきはCO2排出係数。東京電力の場合、かなりの割合を火力発電を占めているので、1kWhあたり約0.5kgの二酸化炭素を排出している。たとえば300kWhを消費すると約150kgの二酸化炭素を排出する。白鵬一人分だ。一方、GREENaでんきはゼロ。ほんとかよ。
二酸化炭素の排出量がゼロの仕組み
はてさて、いったいどういう仕組みで発電時の二酸化炭素の排出量がゼロになっているのだろう。普通に考えると、二酸化炭素の排出量がゼロの発電とは原子力発電か再生可能エネルギーの割合が100%ということになる。
GREENa スタンダードプランのWebサイトを確認すると、FIT(固定価格買取制度)からの電気の比率は50%以上だという。でもそれだけだと、前述の通り、ゼロにはならないはず。 実はこれ、二酸化炭素の「調整後排出係数」がゼロという仕組み。小さい字でWebサイトにもちゃんと書いているし。。
弊社電力事業が、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)に基づく二酸化炭素排出係数(調整後排出係数)について、平成28年度実績でゼロとなることを約束するものです。
それで「調整後排出係数」のその仕組みは、というと、環境省のサイトのPDFの資料に記載があった。
調整後二酸化炭素排出量は、電気事業者が排出量調整無効化した国内及び海外認証排出削減量等を以下の方法により把握し、これらを、基礎二酸化炭素排出量に固定価格買取調整二酸化炭素排出量を足したものから控除して得た量とする。(以下略)
ということは、GREENaでんきのスタンダードファミリープランでは、排出取引市場で二酸化炭素の削減量を購入しているということが推測できる。なかなかコストがかかっているなぁ。経営は大丈夫だろうか。まぁ、何かあったら東京電力に戻せばいい。それが自由化のメリットなので。
結果として、これから我が家が消費する二酸化炭素が削減できることには間違いがないので、気持ちがずいぶん楽になった。 これで電気を使いすぎたら、プリウスで無駄にドライブするみたいなもので、意味がないけどね。
*1:これをカーボンニュートラルという。燃料元の炭素源が空気中の二酸化炭素なので、燃やしたとしても空気中に二酸化炭素が戻っただけなので二酸化炭素排出量としてはカウントされない