KIMURA PLUS(旧館)

個人の感想です

【日記】 井の頭池の「かいぼり」を見てきた

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2018年1月13日(土)に、 吉祥寺は井の頭池の水を抜く「かいぼり」を今年もやると知ったので子どもたちと一緒に見学に行った。

かいぼり

井の頭池のかいぼりは今回は3度目。見に行ったのは今回が初めて。今年も前回と同様に湧水が多くて池の水が十分に抜けていないそう。気温は、日差しがあったとはいえ、5度ぐらいだったと思う。早朝は氷点下だった。寒い。ボランティアの方々が、薄氷が残る水に胸まで浸かって水生生物を捕まえていた。頭が下がる。。

ブルーギルと鯉

公園の目立つところで、捕まえた水生生物が展示されていた。第一に目がつくのがブルーギル。スズキの仲間は見栄えがする。

ブルーギルは過去2度のかいぼりを経ても池の優占種(1度目のかいぼりでは全魚種の60%、2度目では40%)*1 と言っても差し支えないほど繁殖している。 水が抜けきらないところで生き残っていて、ふたたび繁殖しているんだそう。とはいえ、駆除のおかげで大型のブルーギルは減っていて幼魚が増えているそうなので、継続的に駆除すれば減らせるだろう。

ブルーギルのほかで興味深いなと思った外来種は、カワリヌマエビ。これってあれだよな、水槽のコケ取りでよく飼われる「ミナミヌマエビ」だよなあ。わざわざ放流する人がいるのか。何のためだろうと不思議に思った。

また、展示はされていなかったが、鯉も気になった。最近、テレ東の「池の水ぜんぶ抜く」でも頻繁に言及されているので、鯉はブラックバスブルーギルに負けず劣らず問題があるという認知がされてきた。

前回のかいぼりでは色のついた鯉は駆除対象で、黒色の鯉を戻したとのこと。正直、違和感がある判断だ。 今回はどうするのか解説の方に聞かなかったけど、聞けばよかった。

かいぼりをする前の井の頭池アオミドロ(緑藻)やアオコ(藍藻)が浮き、水が濁っていた。実はそれは鯉のせいなのではないか。鯉を泥を吸い込むので汚泥が巻き上がる。水草も食べてしまうから、富栄養化につながってアオミドロやアオコが増える。その結果、池が濁ってしまう。鯉は外来種だから問題というよりも、この性質が問題だ。

とはいえ、鯉に問題があるからとすべて駆除してしまうと、今度は鯉からの捕食圧がなくなり、ブルーギルが大発生するかもしれない。良くも悪くも、この池の生態系が外来種を含めて成り立ってしまっているので、かいぼりを含め、人の手を加えるとどうしても歪みがでてくるだろう。外来種をすべて取り除き、モツゴやモロコが優占種となればそれでいいのかというとそうではないだろうし。

かいぼりは正義か

水を抜き、外来種を駆除し、池の底を干すかいぼりは、崩れた生態系を豊かな生態系へと変える有効な手段であることは間違いない。けれども、守りたい種へのダメージも相当なものだろう。やればいい、かいぼりは正義というものではないだろう。(井の頭池はかなり慎重にやっている印象をうけたが)

また、駆除した外来種をただ殺して廃棄するのはなんだかもったいない。ここは、せっかくだから利用したい。活き締めにして配るのはどうかな。 ブルーギルオオクチバス、ここでは触れていなかったけどもアメリカザリガニなどは味も良い。臭みがある淡水魚の料理となれば、おとなり中国が得意とすることなので、料理法はそれを真似ればいいだろう。特に、麻辣ザリガニは一度食べてみたい。現在進行形で中華街になっていると話題の西川口に行けば食べられるようなので、だれか一緒に行きませんか?